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ブログ「怨霊の憑依」民事訴訟についてのご報告 - 小倉美咲 家族開設ホームページ(山梨県道志村キャンプ場女児行方不明)-




以下記事はに書かれたものです。


名誉毀損事件の被告に対し民事訴訟を提起しました

娘に関心をお寄せいただき、インターネットでの情報拡散に力を貸してくださる皆様、情報提供呼びかけポスター/チラシの掲示や配布にご協力くださっているボランティアの皆様、いつも本当にありがとうございます。報道ニュースからホームページへご訪問くださった方、ご関心をお寄せいただきありがとうございます。

娘の行方がわからなくなってから2年と半年が過ぎましたが未だ娘は見つかっておりません。有力な手がかりがないまま年月が経っていることに日々不安な気持ちはありますが、皆様の温かいご理解とご協力を支えに引き続き捜索活動を続けて参ります。なにか身の回りで少しでも気になることがありましたら些細なことでも間違っていても構いませんので悩まずに情報提供にご協力お願い致します。

娘の行方不明とは直接的に関係のないお話となり恐縮ですが、この度、名誉毀損事件の被告に対して民事訴訟を起こすことに致しましたのでご報告致します。22年03月29日の記者会見の内容、弁護士 小沢一仁先生からのコメントもいただいています。

  • 名誉毀損事件の被告に対し民事訴訟を提起しました
    • ブログ『怨霊の憑依』について
    • 民事訴訟について
    • 誹謗中傷問題に思うこと
  • 弁護士 小沢一仁先生より
    発信者に対する損害賠償請求訴訟の提起等について
    • 1 損害賠償請求訴訟の提起等について
    • 2 本件訴訟の目的について
    • 3 本件ブログ以外の投稿記事について
    • 4 厳罰化との関係について
    • 5 今後について

娘の捜索活動については以下の記事をご確認ください。

2021年10月30日『大切な美咲へ
2022年03月29日『大切な美咲へ ②

記事一覧

ブログ『怨霊の憑依』について

これまでも受けた被害については既に何度か発信しているので、行方不明発生当時からずっと支えてくださり関心を寄せ続けてくださる皆様には繰り返しとなってしまい申し訳ありませんが、今回の報道を見て初めて事を知った方もいらっしゃる為、改めて簡単に説明をさせてください。

『怨霊の憑依』

娘が行方不明になってしまった2019年9月、行方不明発生直後からネット上において事実無根の書き込みや様々な噂話が大量に拡散され数え切れない数の誹謗中傷を受けました。その大きな要因となったのが昨年12月に有罪判決が言い渡された被告の運営するブログ「怨霊の憑依」でした。

美咲さん母名誉毀損 誹謗中傷男に有罪 千葉地裁「臆測の文章掲載」 <成田女児不明>
2021年12月17日【千葉日報】

このブログは、私達家族の名前や写真を載せたうえで

「犯人」「偽装工作」「自作自演」「虐待」「ヤクザ」「加工」「人身売買」「臓器売買」「宗教団体」「子殺し」「募金詐欺」「薬物」「大麻」「背乗り」「アリバイ」「保険金詐欺」

などの酷い言葉、表現を使った事実無根のデマを公開し、美咲が行方不明となった直後、捜索真っ只中の頃から、被告が逮捕されるまでの一年ほどの間、毎日新しい記事を更新し主に私に対して誹謗中傷を続けていました。

ブログが完全に削除される前の記事の合計数は351件にのぼります。記事のコメント欄はブログ管理人参加型の掲示板と化し、毎日更新されていた記事一つ一つに各数百件の書き込みがあり不特定多数の匿名の人たちと共にブログの内容を元に見るに堪えない誹謗中傷、会話をしていました。

自宅が撮影された写真がブログに公開され、インターネット上に拡散されました。夜中に撮影されたものもあり、常に複数人に近くで監視されているようでとてもとても恐怖を感じていました。

このブログには、私の友人、美咲の為に募金を立ち上げてくれた知人、捜索ボランティアさん、お店のお客様、SNS上で応援して下さっていた方々など私と関わりがあった沢山の方々の事まで酷い言葉、憶測等で様々な事を書き綴られたくさんの人が傷つき、私の元から、娘の捜索活動から離れて行きました。

ブログ外への影響と被害

ブログや匿名掲示板の事実無根の情報は、また別の匿名コミュニティや動画サイト、ライブ配信サービスを通して拡散されました。

その結果、私が美咲の情報提供を呼びかける為に利用しているSNSの投稿の誰もが見れるコメント欄や、情報提供者様やボランティアさんとの大切な連絡手段であるダイレクトメールにも、おびただしい数の誹謗中傷やご批判が長期間寄せられ続けられました。 何通か数えておりませんがその数は何千にものぼるものでした。     

自宅に電話が掛かってきて怒鳴り散らされることも多々ありました。2年半経った今でも深夜の無言電話が続いています。ネットの情報を鵜呑みにした人が(当時小学4年生の)長女に話しかけに来た事もあり、長女も様々なことが原因で人間不信になってしまい外にも出れない日々が何ヵ月も続きました。

私がこれらの被害をSNSやメディアを通して訴えると攻撃は減るどころか「悲劇のヒロイン気取ってんじゃねえ!。」「被害者ぶるな!」等の言葉を投げ掛けられました。

生まれてから7年間ずっと側にいた美咲の行方が突然わからなくなり、不安や焦り、恐怖で、精神的にも体力的にも思考力にも全く余裕がなく、また、不特定多数の方から寄せられるおびただしい数のご批判や質疑応答等も人生で初めての経験で、適切に対処できなかったことも要因のひとつではあるのかもしれませんが、弁明釈明をすればするほどに攻撃は増えました。

ネットをやらなければいい

取材を受けたり、SNSの投稿をしたり、このホームページでも発信し情報提供窓口を作ったのも、全ては娘を1人でも多くの人に知ってもらい情報を集める為で、インターネットは「娘を見つける為の」私の限られた大切な手段です。「辛いならネットやめた方がいい」「SNS中毒」と言われようともやめることはできませんでした。いつかこのインターネットに救われる日が来ると信じ続けていました。

体操服を着てにっこり楽しそうに写る小倉美咲。保育園の運動会。
保育園 年長の運動会(2018年10月撮影)

警察に相談してから管理人である被告が逮捕されるまでに一年、さらに被告は容疑を否認し続けたため、昨年12月の有罪判決まであわせて二年以上の時間が掛かりました。

行方不明から一年半が過ぎ、民事訴訟の公表や長く応援してくださる皆様、弁護士さんの多大なるお力添えのおかげで誹謗中傷は激減しました。

民事訴訟について

昨年12月に刑事裁判で有罪判決が出ましたが、 被告はその判決に不服を申し立て《控訴》をしています。

当初から罪を認め考えを悔い改めて欲しいと願っていましたが、逮捕時には「社会正義だ」と、公判中には「美咲ちゃんが見つからないなら母親が犯人じゃない証拠はない」、判決後には「納得がいかない」と、残念ながら未だ一度も罪を認めた言葉や謝罪の言葉はありません。

「納得いかないよ俺!」被告は声荒らげ 誹謗中傷男に有罪判決 美咲さん母「思い伝わっていない」
2021年12月18日【千葉日報】

被告から受けた被害は言葉では伝え切れない程のとてもとても大きなものでしたので、このたび民事訴訟を起こすことにいたしました。詳しくは弁護士 小沢一仁先生からいただいたご報告の文章をご確認ください。

誹謗中傷問題に思うこと

SNSの書き込みに対する発信者情報の開示請求をすることを公表した時も、今回の被告の名誉毀損事件の被害者として裁判を傍聴したり証人尋問を受けたり判決時に取材を受けたりした時も、つい先日報道された、美咲に対する卑猥な言葉を使ったツイートに対する情報開示が認められたご報告の時にも、「そんな暇があれば娘を探せ」といった言葉が必ず目に入ってきます。

弁護士さんに依頼してからは、捜索活動を続ける上で向けられる誹謗中傷に耐え続けて1人で悩み苦しみ泣く時間が減り、実質的に私が誹謗中傷への対処に奪われている時間、労力、精神的疲労は、行動を起こす以前よりも何十倍も減っています。今この問題に割いてる時間は誹謗中傷に関する取材を受けたり、弁護士さんとの記者会見に同行したり、裁判への同行の時間です。

確かに時間が少なからず奪われているのは事実ですが、何もせず耐え続けることでは誹謗中傷はなくならない、苦しみもなくならないと身を持って感じています。気にしないようにしても気にしてしまい傷ついて苦しんで眠れなくなって娘の活動に全ての力を注ぎ込めていなかった頃に比べたら、今は娘達の事に注力できています。子供達や、一緒に美咲の帰りを待っていてくれる人達を守るためにも、行動して言葉でも伝えていくことが必要だと考えています。

二年ほど前、木村花さんが誹謗中傷等が原因で命を絶たれてしまったという大きなとても悲しい出来事があり、その事がきっかけとなり世の中で誹謗中傷をなくそうといった意識が少しづつ広がってきているのを感じています。深い悲しみや傷を負った方々が毅然と声を上げ活動をしているのを目にし、私も勇気をいただきました。またそのような活動をされてる方々のおかげで世の中の意識も変わり法の改正や新たな条例ができたりもしました。

きっかけは木村花さん ネットひぼう中傷対策条例 大阪府で可決
2022年3月24日 NHK

4月から美咲は小学校4年生になり、長女は中学生になります。既に長女はインターネットを授業でも使用し、これからの時代、子供達一人一台タブレットを持つことが当たり前になると思います。だからこそ、今伝えなくてはいけないと思いました。誹謗中傷やいじめがなくなり同じような悲しみを負う人がいなくなる事を願っています。

誹謗中傷に対する法的対処をすることにより批判を受けることがあっても、これからも声は上げ続けたいと思います。

2018年クリスマス撮影 美咲と長女

長女も少しずつですが元気になってきました。私のこの活動も応援してくれていますし、美咲の捜索のチラシの封入作業を手伝ってくれたりするようになりました。

美咲の無事を信じて捜索活動も続けていきます。

かけがえのない私の大切な大切な娘です。

ご関心をお寄せいただきここまで読んで下さった皆様、いつもご協力くださる皆様。娘の情報提供呼び掛けに、情報提供にご協力をよろしくお願い致します。

捜索について詳しくは最新の記事ご確認ください。
2022年03月29日『大切な美咲へ ②』(皆様にご協力いただきたいこと)

2022年03月29日
美咲の母 小倉とも子


弁護士 小沢一仁先生より

発信者に対する損害賠償請求訴訟の提起等について

令和4年3月29日

各位

弁護士 小沢一仁

1 損害賠償請求訴訟の提起等について

  小倉とも子氏(以下「とも子氏」といいます。)は、「怨霊の憑依」と題するブログ(以下「本件ブログ」といいます。)の運営者(以下「被告」といいます。)に対し、本件ブログに投稿された記事によって名誉権を侵害されたとして、令和4年1月20日付で、550万円(慰謝料500万円、弁護士費用50万円)を請求する民事訴訟を、千葉地方裁判所佐倉支部において提起しました。なお、その後事件は職権で千葉地方裁判所に移送されました(事件番号:千葉地方裁判所令和4年(ワ)第309号。以下「本件訴訟」といいます。)。

  第1回口頭弁論期日は指定済みですが、現時点で被告に対し、訴状が送達されていないことから、今後期日が変更となる可能性があります。

  なお、本件訴訟では、後述する刑事裁判で取り上げられた2件のブログ記事を問題にしていますが、本件ブログでとも子氏について書かれた記事は、とも子氏において把握しているだけでも、2019年10月から2020年10月までの間に351件あることから、今後、訴えを拡張し、問題とする記事及び請求額を増やす可能性があります。

2 本件訴訟の目的について

  本件は、山梨県道志村のキャンプ場で行方不明になった小倉美咲ちゃん(以下「美咲ちゃん」といいます。)の母親であるとも子氏が、インターネット等で情報発信を行ったり、支援者が中心となって募金活動をしたりしたことなどについて、確たる根拠もないのに、とも子氏が美咲ちゃんを行方不明にした犯人だ、募金詐欺だなどと、社会通念上許容される限度を逸脱した中傷としかいいようのない多くの意見がインターネット上で発信された事案です。

  そのなかでも、本件ブログの影響力は強く、本件ブログの内容に共感した人たちが、SNSやインターネット掲示板、動画配信サイト、ブログ等でとも子氏をさらに中傷しました。

  昨年12月、千葉地方裁判所は被告に対し、名誉毀損罪で、懲役1年6月、執行猶予4年の有罪判決を下しましたが(但し、被告が控訴したため、同判決は確定していません。)、名誉毀損罪の有罪判決としては比較的重い部類に入ると思われます。このことからも、本件ブログの悪質さが見て取れます。

  このような悪質な記事を執拗に投稿した人物に対し、刑事上の責任のみならず、民事上の責任もきちんと負ってもらうことが本件訴訟の目的です。また、最終的にどの程度の件数の記事を審理の対象にするかによっても左右されると思われますが、この事件について、裁判所がどの程度の責任を負うべきと判断するのかも注目すべき点だと考えています。

  また、近時、インターネット上の中傷事案における慰謝料額の低さが問題になっていますが、とも子氏としては、度を超えた中傷をした人物には、多額の賠償の支払いが命じられる先例を作り、将来において同じような被害者が出ることを防ぎたいと考えています。

3 本件ブログ以外の投稿記事について

  既に一部で報道されているとおり、とも子氏は、本件ブログ以外にも、SNSや匿名掲示板、動画投稿サイトに投稿された記事について、発信者情報開示請求を行い、特定できた者については損害賠償請求をする予定でいます。既に複数件、発信者情報が特定されているものがあり、その中には、本件の被告が発信者であったとの回答を得ているものがあります。

  令和4年3月25日には、ツイッターに対する発信者情報開示請求訴訟について、とも子氏の請求を一部認容する判決が下されました(9アカウント中1アカウントについては棄却判決でした。)。その中には、これまで死者に対する名誉毀損について保護法益として認められてきた遺族の死者に対する敬愛追慕の情が、必ずしも死者に対する中傷でなくても、一定の要件を満たせば近親者にも認められることを前提に、結果として開示を認めたものも含まれています。死者の遺族以外について敬愛追慕の情の侵害を認めた事例としては、初めてのものだと思われます。

  同判決が示した要件を満たす事例は相当程度限られるとは思われますが、それでも、裁判所が既存の解釈にとらわれず、新たな判断基準を示して美咲ちゃんに対する中傷被害を救済する道を作ったことについては、高く評価するとともに、感謝したいと思います。

4 厳罰化との関係について

  先日、侮辱罪の法定刑を引き上げる法案が閣議決定されたとの報道がされました。

  現在、インターネット上における誹謗中傷の被害は深刻化しており、ときには人を死に至らしめることがあります。そこまでには至らなくても、精神的に深い傷を負い、通常の社会生活や学校生活を送ることができなくなってしまう「社会的な死」に至らしめることもあります。このような状況に鑑みると、厳罰化の傾向自体は好ましいことだと思います。また、公訴時効が従来の1年から3年に延びることは被害救済に資するため、やはり好ましいことだと思います。

  他方で、プロバイダ責任制限法の改正について報道がされたとき、発信者情報開示請求が現在よりも簡単に認められるようになるかのような情報が広がったことから、自身にとって不愉快な意見を封殺する手段として、発信者情報開示請求をすることを予告する事案が散見されました。実際にもそのころから、濫用的ではなかろうかと思わざるを得ない発信者情報開示請求を行っている事案を目にするようになりました。

  今回の侮辱罪の法定刑の引上げによって、さらに濫用的請求が増える可能性があると思われ、その場合、言論の自由を保護する観点から、開示や削除、損害賠償を認めるか否かの判断に際し、裁判所が必要以上に慎重になり、本来救済されるべき被害者が救済されなくなる事態も想定されます。

  しかし、濫用事案を気にするあまりに、救済されるべき人が救済されないのでは本末転倒です。本件訴訟を通じ、上記のような状況を踏まえてもなお、最も優先されるべきは現に中傷を受けている被害者を救済することであり、加害者に対しては然るべき責任が問われるのだとの原則論を周知することができればと思います。

5 今後について

  とも子氏に対する中傷は、事件発生当初よりは件数が減少した反面、執拗かつ悪質な記事がいまだに投稿されています。とも子氏としては、このような記事ついては都度証拠保全し、特に看過しがたいものについては今後も責任追及を行う予定です。

以上

弁護士 小沢一仁

インテグラル法律事務所所属
https://ozawa-lawyer.jp/


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